プロパンガスの燃焼エネルギー量

一般家庭に供給されているガスは、大別してプロパンガスと都市ガスだ。ガスを燃焼させて得られるエネルギーを検算してみようと思う。

www.lpg.tokai.jp

上記サイトによれば、LPガスのうちプロパンガスの発熱量は次の通り。

\rm{99.096MJ/m^3}

さて、単位が立方メートルなのでリットルになおす。

\rm{1m^3 = 1000L}

したがって、気体の標準状態は 22.4L なので、

\rm{1000L / 22.4(L/mol) = 44.6428mol}

のプロパンが含まれていることがわかる。

www.thermalfluidscentral.org

いま、プロパンの標準燃焼エンタルピーは、

\rm{Δ_{c}H^{°} = -2220kJ/mol}

である。したがって、1立方メートルのプロパンを燃焼させると、

\rm{44.6428 * 2220 = 99107kJ}

の発熱量であることがわかる。キロジュールをメガジュールになおすと、

\rm{99107 * 1000 / 1000000 = 99.107MJ/m^3}

となる。およそ先のサイトに示されていた数値と同じことがわかる。

没食子酸 Gallic acid

冬が近づいて気温が下がってくると、木々の葉が紅葉する。これは葉が緑たるクロロフィルが分解され、アントシアニンが優勢になることで起きている。銀杏など黄色に黄葉するものはカロテノイドが優勢になることで起きている。

一方で茶色くなって落ちるものもある。いわゆる枯れ葉だが、これはタンニンが関わっている。タンニンは多数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ複雑な芳香族化合物で総称だ。

この中で広くタンニンの基本骨格をなす物質が没食子酸である。

 \rm{C_{6}H_{2}(\mathrm {OH})_{3}CO_{2}H}

没食子酸は通称で、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸が正体だ。IUPAC名としては 3,4,5-trihydroxybenzoic acid と表される。ベンゼン環にカルボキシ基、その3,4,5番目にヒドロキシ基が配位していることを意味する。

酸解離定数はカルボキシ基部分で4.5、ヒドロキシ基部分で10.0と弱い酸である。したがって共役塩基は強く、還元力の高さから還元剤として使われる。

電磁的記録不正作出及び供用

就職活動のwebテストを替え玉受験した関西電力社員が逮捕されたとの報道があった。電磁的記録不正作出及び供用の罪であるという。刑法第161条の2に規定されている。

1.人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(中略)

3.不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第1項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。

刑法第161条の2 電磁的記録不正作出及び供用

webテストを就活生の能力を測る事実証明と捉え、試験結果である電磁的記録を他人が不正に作成したということである。事務処理を誤らせるとはその受験先会社の人事担当と考えることができる。

替え玉受験したことが試験結果の作成ならば、受験先会社に提出したことが供することに該当する。

逮捕された関電社員の男は上記の罪で逮捕されたが、彼に依頼した就活生はどうなるのか。今回の摘発の対象となった就活生の女子学生も同被疑で書類送検となる見込みだ。

第3項には「その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する」と規定されており、これに該当すると考えられる。

依頼して作らせた場合も第1項の前件に該当するのだろうか。

大事を成す情熱の差

永田教授の研究室では、修士課程の院生を取り敢えず海外留学させる。海外の大学はすごい、海外の研究はすごいというイメージを持ってしまっているものだが、自分たちとそんなに変わらないのだということを知って体感して欲しいからだという。

さて、日本では約150年前に明治維新が起こった。薩摩や長州といった地域の出身者が中心となって、現在に至るまでの国家の土台を築き上げた。薩長西郷隆盛伊藤博文大久保利通といった多くの優秀な人材を輩出した。

中国はどうだろうか。約400年にわたり繁栄した漢王朝の礎を築いたのは、初代皇帝でもある高祖劉邦だ。彼は泗水郡沛県の亭長(一定距離ごとに置かれていた宿舎の管理人)であったが、同じく沛県出身の蕭何や曹参、幼なじみの盧綰や樊噲、周勃や夏侯嬰といった者たちと中国大陸を統一した。彼らは建国後も丞相や将軍として支えた。

天下の奇才が偶然にも特定の地域だけに集中して生まれたというのだろうか。そうは考えられない。他の地域にも同等以上の優秀な人材が多くいたはずだ。人の能力に大差はない。違うのは大事を成す情熱の差だけだ。

EUR/USD 2022-11-20 weekly review

4時間足。先週の暴騰から、続騰派と落ち着け派が攻防すると予想された。またこの付近は2016年安値を始め節目となっているレートで、無秩序になりやすい。

30分足。今週は静観。火曜の米国PPIの値動きがハラミとなって、高値切り下げ安値切り上げの持ち合い状態。

USD/JPY 2022-11-19 weekly review

4時間足。先週の暴落によって、続落を期待する派と、一旦落ち着け派が攻防する。そして持ち合いになった。下から買う、上から売るを心がけたい。

30分足。先週の安値を試し、安値を切り上げた赤1でロング。その後に明確なダブルトップを形成。下落の始まりを捉えられず、やや中途半端になってしまったが下落途中の戻しを青1ショート。

次の赤2ロングだが、火曜の米国PPIで急落した後、V字で全戻しとなった。30分足では見えないが、一度吹き上がって下落してきたところをロングしている。

木曜の青2ショートは、前回ダブルトップや9月22日介入安値といったレートで、また三角持ち合いの上抜けから下値試しの動きを取ろうとしたものだが、スケベショートだった。

PFOSA

米軍基地周辺の土壌や水から、発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が検出されていると報じられている。どのような物質か。

PFASは有機フッ素化合物の総称で、代表的なものはPFOSAやPFOAが挙げられる。

PFOSAはペルフルオロオクタンスルホン酸(perfluorooctanesulfonic acid)の略称だ。基本構造はオクタン(octane)で炭素8個の直鎖状で、末端にスルホン酸(sulfonic acid)を持っている。ペル(per)とは満たしていることを表し、フルオロ(fluoro)とはフッ素のことである。

つまりPFOSAはオクタンスルホン酸のアルキル部分の水素をすべてフッ素で満たした物質である。報道されているPFOS(perfluorooctanesulfonate)はPFOSAの共役塩基のことだ。

PFOSは高い親水性・親油性を有していて界面活性能が高く、水の表面張力を15mN/mまで低下させる。(水の表面張力は72.75mN/m)

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jp9051352

PFOSAの酸解離定数pKaは1.0未満である。ただしリン酸より酸性度は強く、硝酸よりは弱い。硫黄原子に着目すれば硫酸のようなものだ。ただし巨大なペルフルオロアルキル基がくっついているのでその分は弱くなるだろう。