ウクライナの何を支持したら良いのか

テリー伊藤氏がウクライナに降伏を勧めている。命が大切だということは理解できるが、非常に近視眼的な発想と言わざるを得ない。仮にウクライナがロシアに降伏したとして、命の保証はない。命があったとしても、二級国民として一生を強いられるかもしれない。ホロドモールのような過去もある。

また、テリー伊藤氏は遠い国の他人事と捉えているからこのような発想に帰着するのかもしれない。力による現状変更を受け入れてしまえば、地政学的に日本は世界で最も危険な国の一つということになることに考えが及んでいない。

さて、現状ではロシアがウクライナに侵攻し、ウクライナ人は文字通り必死の抵抗を続けている。この事実に対して、日本人はどう考えたらよいだろうか。

百歩譲ってロシアが言うところのNATO脅威論を理解するとしても、武力によって解決を図ることは許されない。人道倫理に反しているだけでなく、明文化されている国連憲章違反でもある。従ってウクライナを支持することに疑いは無い。

この時、ウクライナウクライナの人々に対し、他国である日本人としてウクライナの何を支持したら良いのだろうか。ロシア軍をやっつけろと言うにしても、ウクライナ人に血を流すことを強いてよいわけではない。

支持すべきなのは、ウクライナ人の覚悟であると考える。ゼレンスキー大統領をはじめ、国に残って戦う覚悟を決めた兵士や国民、また女性や幼老者が祖国を離れ国外に避難することだって想像を絶する覚悟が必要だ。そのような覚悟を受け止め、支持すること。そして必要な支援を惜しみなく実行すること。

日本人が日本にいてもできることはある。大使館でも赤十字でも、人道に使われる義援金を送ることができるし、ウクライナ中央銀行への送金なら武器弾薬の支援もできる。ウクライナからの避難者を迎え入れることに賛成し、より多くウクライナへ支援するため日本国内に余剰を生み出すよう政策(原発再稼働など)を訴える。ロシア依存を低減することも有効だ。