スリランカの債務不履行

スリランカ中央銀行は、対外債務の返済を一部停止すると発表した。債務再編をしてハードデフォルトを避けることを目指す方針を述べた。限られた外貨準備は燃料などの必需品の輸入に必要だとしている。

同国の外貨準備は3月末時点で19億3000万ドルと発表されている。1月末時点では23億6000万ドルであり、更に遡って2020年末時点では56億6400万ドルであったことから、急速に減っていることが窺える。

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対USドルのチャートは吹き上がっている。急上昇の起点から計算すると約62%の上昇である。スリランカ債務不履行の報道は4月12日だが、急上昇の起点は3月8日だ。この日はスリランカ中央銀行が同国ルピーの最大15%切り下げを実施している。

通貨切り下げは海外からの送金やIMFとの交渉を見据えた措置だろうが、障壁は多い。増税や燃料価格の調整も必要だが、同国国会は与党議員の造反が相次ぎ過半数割れを起こしている。