極右かと思えば親露とか

韓国には極端な右派と左派がある。右派は今の韓国という国家を支持する。左派はというと、国家を支持しない。彼らは朝鮮民族という括りで国家観を捉えているため、今の韓国という国体は仮初めでありいずれ解体されるべきなので国歌すら支持しない。

このような物の見方、派閥というのは、嫌悪で形成されることが多い。いわゆるアンチである。

翻って日本はどうか。現在は自民党政権であるが、野党支持者はアンチ自民である。それだけで野党を支持する者もいれば、別の理由で野党支持もある。反米だ。日米同盟を重視し、価値観や外交の基軸、通貨体制など、自民党は米国と関係性が深い。よってアンチ自民といった具合だ。

さて、最近のウクライナ・ロシア戦争において世間に認知されたことが、維新がロシアとの関係が深いということだ。維新といえばしばしば極右と表現される。野党がリベラルで自民が保守というなら、維新は更に右という位置づけらしい。すわ国粋主義かと思えば、まさかの親露とは何故なのか。

ヒントとなりそうなのがオルト・ライトだ。オルタナ右翼とも表現される。一般にオルト・ライトとは右翼の一種であるが、従来の保守主義よりも更に保守成分を精製した主義主張のことである。日本ではネット右翼が近い。

オルト・ライトにも様々な定義があるが、民族主義や白人至上主義、反フェミニズムや排外主義、個人主義といったものが主たる思想だ。ではオルト・ライトの男性は白人女性を指向するかというと、そうではない傾向があるそうだ。

Opinion | The Alt-Right’s Asian Fetish - The New York Times

NYTの記事によれば、白人男性はアジア系女性を指向するという。その理由は、よく働き、白人社会に同化しようと努め、従順で寡黙といったことが挙げられている。これは白人女性がフェミニズムに偏りすぎたのと対象的である(但しこれらはステレオタイプであることに留意)。

つまりその女性は白人ではないが、最も自らの考えを尊重してくれる存在だから指向する、ということなのである。フェミニズムの白人女性のアンチと考えることもできる。

話は戻って維新とロシアである。維新は何のアンチを拗らせて親露となったのか。

維新が世間の印象である極右なのだとすれば、自民の後塵を拝する位置にいることも許されない。したがって自らの力を増さなければならないが、米国以外で協力を求める存在があるとすれば、ロシアということになってくるのだろう。もし国粋主義的であるならば更に理解しやすい。

そうだったとしても、維新からロシアに協力を求めたわけではない場合もある。ロシアが維新の立ち位置を理解した上で協力を申し出、利害が一致するというパターンだ。