話題そらし論法と心構え

Whataboutism

自分が批判された時、xxについてはどうなんですか? といって話題をそらしつつ相手も批判する論法。今現在ロシアによるウクライナ侵攻が行われていて民間人の死傷者が出ているが、西側諸国やNATOに問題がなかったと言えるのか? などと話題をそらす。今そんな議論をしている場合ではない、と論点を元に戻す必要がある。

藁人形論法(ストローマン論法)

相手の意見を曲解して引用し、その歪められた意見(藁人形)に対して反論をする論法。藁人形の作り方には意見の歪曲、誇張、言い換えなどがある。曲解された意見がいったん拡散してしまうと収拾するのが困難になる。全文を貼るなどして前後の意味合いも読み取ってもらう必要がある。

チェリー・ピッキング

自らに都合の良い部分を切り出して主張反論する論法。藁人形と似ているところがあるが、こちらは編集せずに部分データを切り出すことに特徴がある。例えば新型コロナ感染者数がワクチン接種者と非接種者で同数だった、ワクチンは無意味だ、といった主張が該当する。接種者と非接種者の分母が示されていないため誤解を誘発する。

ご飯論法

少し前に国会で話題になっていたやつ。「朝ご飯は食べたか」という質問に対して「ご飯」の意味を故意に狭い意味として解釈し、パンは食べたにもかかわらず、「ご飯(白米)は食べていない」と答える論法。質問側の意図をあえて曲解し、論点をずらし回答をはぐらかす。藁人形やチェリーピックの中間的と考えることができる。

どう考えたらよいか

ここに列挙された論法は、いずれも話題そらしの方法だ。すれ違いの議論は虚しい。まずは自分が無意識のうちにこれらの論法を使用していないか気をつける。次に相手も無意識に使用していないか見極める必要がある。この段階では落ち着いて指摘すれば問題ない。

最も困難なのは、相手が意識的に使用している場合である。議論によって有意義な結論を導き出そうとする意思が欠如してしまっているため、不毛である。いったん切り上げる勇気も必要になってくる。