二極世界の誕生は呑気

二極世界が誕生するか、という議論は既に過去のものになっているという。二極世界の誕生とは両極の陣営が睨み合う冷戦構造になるといことだが、ロシアウクライナ戦争においてその分水嶺となる事態は何か。

ロシアがウクライナに侵攻したところで、ウクライナ占領で終わるのならばロシアを非難するだけで終結してしまう。以後はいわゆる東西陣営で睨み合う構造が形成されるだけだ。

しかしロシアの進撃がウクライナにとどまらない場合はどうなるか。アメリカやNATOが参戦し、多国を巻き込んだ本当のWW3の勃発である。その端緒となりそうな事態とは、キーウ陥落によってウクライナ政府が西へ移動する中でNATOが飛行禁止区域を設定することだ。

飛行禁止区域を設定するということは、その空域に侵入するロシア軍機を全て撃ち落とすという宣言である。ロシアはこれをNATOの直接介入とみなし、全面戦争へと突入する。

このような事態になれば、もはや二極世界が睨み合うことなどなく、どちらかが倒れるまで殴り合いになることを意味する。