プロパーカードの範囲

クレジットカードには発行形態に応じて主にふたつの分類ができる。

  • プロパーカード
  • 提携カード

一般的なイメージとしてプロパーカードといえば銀行系といった堅いものが挙がるが、これはおそらく三井住友カードの影響だろう。同社によれば次のように定義されるそうだ。

プロパーカードとは、大まかにいえば、クレジットカードの国際ブランドやクレジットカードの発行会社が独自に発行しているクレジットカードのことを指します。

三井住友カードは後者(クレジットカードの発行会社)に該当する。クレジットカードの決済フローにおいて、いわゆるイシュアと呼ばれる位置だ。

国際ブランドが独自に発行しているクレジットカードとは、JCB・AmericanExpress・Dinersのことを指していると思われる。

三井住友カードが発行しているのはVISAとMastercardのみで、もちろんこれらのブランドは三井住友カードのものではない。他社のブランドを使っているのにプロパーと呼んでよいのだろうか。

VISAとMastercardは自社でカードを発行していない。ブランドと決済網を提供しているだけだ。したがって国際ブランドとしてのプロパーカードは存在しない。

しかしながら三井住友カードはVISAプリンシパルメンバーであるため、限りなくVISA本体に近いとは言える。

これらのことを総合するに、プロパーカードはいくつか定義の広狭を考えられる。

  1. 国際ブランドが単体で発行するクレジットカードのみ。
  2. イシュアが単体で発行するクレジットカード。
  3. 国際ブランドが直接発行する全てのクレジットカード。
  4. イシュアが直接発行する全てのクレジットカード。

1.については最も狭義だ。国際ブランドがその名のみを冠するクレジットカードということで、JCB・AmericanExpress・Dinersに限られる。

2.については、VISAやMastercardまで含まれる。カード発行権を持つイシュアが同社名のみを冠するクレジットカードで、三井住友カードやイオンカード(V/M)がこれに該当する。

3.については上記と別の切り口で少し広い。国際ブランドが発行する全てのカードなので、他社との提携カードも含まれる。例えばANA JCBカード全日空と提携しているが、JCBが発行している。全日空は付帯サービスを提供するだけなので、クレジットカードとしてはJCBカードであると見る。

4.についてはプロパーカードと言いがたい。そもそもクレジットカードを発行できるのはイシュアだけなので、イシュアと直接発行は同義だ。提携カードである。

個人的には最も狭義を採用したい。