キャッシュレスの保守と革新
「保守」「革新」というと政治思想を連想するが、人間の行動原理は大別すると全て保守と革新に分けられる。
現行の制度、今の自分、持っているモノなど、それまで積み重ねてきた現状が行き詰まってしまうことがある。その状況を打破しようとする時、保守か革新か行動が分かれるのである。
間違った現状を打破した先に見据える正しい状態とはどのようなものか。ひとつは、今までの行動を振り返り、本質を見出して次の考えの中心に再び据え直す。もうひとつは、自らが理想とする状態のために考えを一新して再構築する。
前者が保守的な考えで、後者が革新的な考えである。
前稿で私は、拡大しすぎたキャッシュレス決済サービスを整理して縮小しようと考えた。どのような基準で整理しようとしたかといえば、使いやすさなどを重視してSuicaを残そうとした。
私はおそらく保守的な思考回路なのだろう。
もしも革新的な考えを持っていたら、今ごろARIGATOBANKカードを作っていたかもしれない。あらゆる国際ブランドからチャージできて、ハブになれる万能カードという魅力に屈していたかもしれない。
所有するクレジットカードについても、ラインナップを眺める限り保守的だと自分で思う。提携カードの方が尖っているぶん使い込むとお得だ。しかしサービスの安定性と汎用性を重視してプロパーカード指向なのだ。
どちらが良いということはない。どちらも良い。