SMCCプラチナプリファードは元が取れるか

三井住友カードからポイント還元率特化型のプラチナカードとしてコロナ禍にリリースされた。細かい付帯特典を削ぎ落とし、代わりにポイント還元が優れている。年会費が33,000円かかるので、これを回収できるかどうかがひとつの基準になる。

同程度額のカードとしてアメックスゴールドがある。先稿の通りホテルやレストランといったT&Eをする人にとっては簡単に年会費を回収できるが、逆に普段遣いのポイント還元での回収は難しいということがわかった。

SMCCプラチナプリファードはその真逆といった感じである。ポイント還元のみで年会費の回収を目指さなくてはならない。しかし旅行関連ではポイント還元特約店があるので、上手く使うと回収も容易である。

SMCCプラチナプリファードの基本還元率は1%で、加えて特約店では+1~9%の還元が受けられる。また継続特典として前年度100万円の利用ごとに10,000ポイントが還元される。この条件のみで年会費回収を目指すことになる。

旅行保険は付帯するがプラチナクラスとしてはやや控えめで、プライオリティパスも付帯しない。

特約店は様々なジャンルが揃っているが、1回の出費が大きい旅行関連や、年間通して累積額が大きくなるスーパーマーケットをいかに利用できるかが重要だ。一方でカフェやコンビニは金額が少ないのであまり気にする必要はない。

例えば年間100万円利用するとして、うち70%は特約店で利用したとする。特約店の平均加算が+2%とすると、30万円分は1%で70万円分は3%である。合計するとショッピング利用の合計還元が24,000ポイントとなり、年間ボーナスを加えて34,000ポイントの還元となる。およそ年会費相当である。

この利用内訳が損益分岐点であり、ここから先がようやくお得の享受である。

アメックスゴールドは年会費を回収しやすい一方で宿泊するホテルやレストランが決まっていたりと制約が多いが、SMCCプラチナプリファードはそれに比べるとやや制約が少ない。

しかし特約店かどうかを気にして利用する必要があるし、iD決済やVISAのタッチ決済は対象外といった罠もある。普段遣いに適したカードなのに、特約店や決済方法に気をつける必要があることはデメリットである。

ポイント還元をチマチマ積み上げていくタイプのプラチナカードで、アメックスゴールドとは対照的なカードとなっている。アメックスゴールドは特定の使い方で簡単に年会費を回収できるため、残りの利用をSMCCプラチナプリファードに集中させることで、合わせて6万円オーバーの年会費も意外と回収できてしまうかもしれない。

国際ブランドの分散という観点でも、得意な分野が被っていないという観点でも、実は相性が良いかもしれない。