是非もない国葬

安倍元総理大臣の国葬の是非で世論が二分している。連日の旧統一教会問題を報道するマスメディアの努力の賜物で、国葬反対派が優勢に傾いている。

反対派の意見は色々ある。例えば在任期間中に疑惑だらけだったとか、国民に葬儀を強制させるだとか、旧統一教会を絡めた理由などが挙がる。国葬の執行にあたり、かかる費用にも物言いが付く。

どの理由も的を得ていない。最も根本的なこととして、この葬儀は反対派を始めとする日本国民のために執り行われるわけではない。世界各国からの要望で外国要人のために執り行われるものだ。

安倍氏が亡くなった後、昭恵夫人が喪主として葬儀は既に終わっている。多くの国民も増上寺に駆けつけた。これが家族・国内向けの葬儀だとすると、次の国葬は国外向けである。外交イベントだ。

また国葬儀という格付けも重要だ。もし自民党による葬儀だと私的なイベントと見なされるだろう。各国要人が弔問で日本へ行く時、つまり自国を離れるのに、私的な理由で出国することになってしまう。

かかる費用については、16億円程度で足りるのか疑問である。安倍氏が亡くなったのは警備の問題が大きい。挽回を印象付けるためにも万全を期さなければならない。

国際イベントで費用をケチって失敗するのは五輪スタジアムで最後にして欲しい。