PFOSA
米軍基地周辺の土壌や水から、発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が検出されていると報じられている。どのような物質か。
PFASは有機フッ素化合物の総称で、代表的なものはPFOSAやPFOAが挙げられる。
PFOSAはペルフルオロオクタンスルホン酸(perfluorooctanesulfonic acid)の略称だ。基本構造はオクタン(octane)で炭素8個の直鎖状で、末端にスルホン酸(sulfonic acid)を持っている。ペル(per)とは満たしていることを表し、フルオロ(fluoro)とはフッ素のことである。
つまりPFOSAはオクタンスルホン酸のアルキル部分の水素をすべてフッ素で満たした物質である。報道されているPFOS(perfluorooctanesulfonate)はPFOSAの共役塩基のことだ。
PFOSは高い親水性・親油性を有していて界面活性能が高く、水の表面張力を15mN/mまで低下させる。(水の表面張力は72.75mN/m)
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jp9051352
PFOSAの酸解離定数pKaは1.0未満である。ただしリン酸より酸性度は強く、硝酸よりは弱い。硫黄原子に着目すれば硫酸のようなものだ。ただし巨大なペルフルオロアルキル基がくっついているのでその分は弱くなるだろう。