帰化ではない国籍取得とは

法務省のデータによると、令和3年の日本国籍取得者は817人だった。日本の出生数は年間約80万人であり、その数字とは大きく違う。では国籍取得とは何か。帰化とは違うのか。

国籍法には次のような規定がある。

第三条 父又は母が認知した子で十八歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

この規定はいわゆる届出によるものだ。出生とは違う。少しわかりにくいが、この規定が改正される前の規定と比べると理解しやすい。

第三条 父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

大きな違いは「婚姻」にある。日本人父と外国人母との間に生まれた子は、その父母が法律上の婚姻をしていないと非嫡出子として日本国籍が与えられない。婚姻すると嫡出子となり、届出の要件を満たす。

平成20年にこの法律が改正され、父の認知があれば非嫡出子でも法務大臣に届出をすることで日本国籍を取得できるようになった。