ミニマリストは戦わない

とても鋭い指摘だ。ゆっくり茶番劇の商標登録を巡り批判が噴出したが、日本人はスジの通っていない事柄に対しては応報が過激だという。この考えは侵略戦争をするロシアに対しても同様で、許さないと答える日本人の割合は世界の中でも突出して高い。

一方でこの騒動を見た時、真っ先にあるYouTubeを思い出した。

ミニマリストと称するTakeru氏は、同氏のYouTube内で多用されていた「断捨離」という言葉が入った動画について、やましたひでこ氏から商標権侵害を理由に使用中止の要求を受けた。

断捨離は近年の流行で、様々なYouTubeやブログで多用されている言葉だった。特にミニマリスト界隈ではモノを減らして整理するのが中核をなす行動であることから、避けて通ることができない概念でもある。

広く使われてきたし、元は放下着とともに禅の考えでもある。これを商標登録し独占しようとするのはスジが通っているとはいえない。

ところがどうだろう。ミニマリスト界隈では衝撃が走ったものの、大きな反発がなかった。ミニマル化という言葉を使うようにしようとか、単にモノを捨てると言うようにしようという回避行動が多かった。

さて、スジを重視する日本人という話だが、その背景には重要な信念がある。それは、スジを通すためなら自分が損をしてもよい、ということだ。

ミニマリストは無駄を徹底的に省き、最少のモノで最大の幸福を得るところに真髄がある。損失を被るのは信念に背くことであり、損失を吸収するバッファーを持ち合わせていないのだ。