世外桃源

世外桃源(Shìwàitáoyuán)とは、俗世を離れた理想の地とされる。理想郷や桃源郷とも呼ばれる。陶淵明という南北朝時代の文学者の著書「桃花源記」が出処になってる。

桃源郷はしばしばユートピアと換言されることもあるが、それぞれの思想背景によると正反対のものである。ユートピアは意志を以て理想社会を実現しようとする一方、桃源郷はそうした意志を放棄した先に存在するとされる。

故に、どのような賢者でも行こうとしても行けない地なのである。

桃源郷と入力すると「ザナドゥ」という単語が当たる。ザナドゥXanadu)とはモンゴル帝国時代に築かれた都で、上都とも呼ばれる。上都のピンインが Shàngdū であることからも訛ったものだとわかる。

モンゴル帝国元朝が大都(北京)に首都を設置した際、開平府と呼ばれていたこの地を上都と改め、皇帝が夏季に避暑と政務を行う陪都夏営地とされた。大都から北へ275km、現在の内モンゴル自治区にある。