IDAREはいかにしてKyashを回避したか

2022年2月9日、FinTechのIDAREは毎月の平均保有残高に対し年率2%相当のボーナスを付与する機能を発表した。

ポイ活勢やFinTechにアンテナを張っている人なら、以前にも似たような機能を聞いた記憶があるだろう。そう、Kyashである。

2020年12月1日、Kyashは残高に対して年利1%の「残高利息」を毎月付与するサービスを開始すると発表した。ところが開始直前に中止を発表。改悪と評価されるアップデートのみを予定通り施行することになった。

なぜ中止の判断をしたのか説明はなかった。しかし資金移動業であるKyashが残高利息を付与するという、銀行業を想起させる部分に問題があったのは明らかだった。Kyashがユーザーから受け入れている資金は預り金であって預金ではないのだ。

それでは、内容がほとんど同一のIDAREはいかにしてKyashの轍を回避したのか。

Kyashは残高に対して利息を付与する一方、IDAREは入金額に対して利息(ボーナス)を付与するという形式を取った。付与するボーナスを計算するにあたっては残高を参照するが、毎月の入金額の20%を上限とする部分がポイントだ。

こうしてKyashが夢見たスマート積立アプリとしてのポジションはIDAREが獲得した。

さて、ユーザーにとって重要なのはIDAREから2%のボーナスを受け取り続けることができるのかだが、残念ながら無理だろう。