日米の金利差とは -1

USD/JPYが149円に迫り、150円も窺っている。ニュース解説によれば、この円安ドル高は日米の金利差が意識されていることによるものだという。

米国は高いインフレ率で今後も大幅な利上げが予想される一方、日本は日銀黒田総裁が金融緩和を継続すると国会で答弁している。

日米の金利差を銀行の預金金利に置き換えれば理解しやすい。A銀行は3%の利息が付くうえ、今後は4%になる噂がある一方、J銀行は0.2%しか付かないとなれば誰もがA銀行に預金を移すだろう。

こうした理由で資金のリバランスが起きているのだろうか。実際に日米の金利を比較してみる。

国際関係において、金利差とは実質金利を比較する。

実質金利 = 政策金利 - インフレ率

ここで政策金利は10年債利回り、インフレ率は総合CPIを置いてみる。

青い線が日本の実質金利、赤い線が米国の実質金利を示している。両国とも実質金利はマイナスとなっているが、年初から一貫して日本のほうが高い。

いまJ銀行はマイナス2.6%、A銀行はマイナス4.2%の金利がつくらしい。

世界の人々はというと、損失の大きいはずのA銀行に預けるという。何が間違っているのだろうか。