毒入りエナジードリンク罪

NHK大河ドラマ、鎌倉殿の13人が完結した。北条義時の死亡には様々な説があるだろうが、今回は毒殺説が採用された。

妻・のえが毒入りのエナジードリンクを義時に飲ませ衰弱させた。後に医者から貰った解毒薬を北条政子が故意に叩き割り、ついに義時は死亡した。現代の法に照らすとどのように処断されるだろうか。

のえは殺意を以て毒入りのエナジードリンクを義時に飲ませていた。死亡する前に発覚し解毒薬を処方されたが、最後は毒が原因で死亡した。行為と結果が一連で因果関係が認められ、殺人罪が適用される。

一方で医師が指摘し解毒剤を処方した時点で因果関係が断絶しているとも考えられる。この場合は殺人の未遂か、傷害致死となると考えられる。分かれ目は本人の意思がどちらにあったかだ。

のえは息子の政村に執権職や家督を継がせたいと考えていた。この目的を達するために義時に毒を盛っていたのである。従って死亡させるまでは考えておらず、衰弱させておいて政村に継がせると言ってもらいたかっただけとも考えられる。

この考えの場合は故意の傷害罪と、結果的に死亡したということで傷害致死罪が適用されると考えられる。そうでなければ殺人未遂罪で、これは裁判官の良心に委ねられている。